保育士を辞めたいと考えた時に悩む、時期や切り出し方。
保育士には「年度末まで働かなくてはいけない」という暗黙のルールがあります。
しかし年度末まで働いてから辞めようとしても、保育士不足の今は引きとめられることも。
保育士の仕事は、地域の園長会や系列園…というように横のつながりも強いです。
できれば職場を円満に退職したいですよね。
今回はブラック保育園を1度退職した私が、保育士を円満退職するためにどう切り出したか。
辞めると伝えた時の理由も一緒にお話しします。
私がブラック保育園を辞めた時の体験談
私が前の職場であるブラック保育園を辞めようと決意したのは、3年目のゴールデンウィーク頃でした。
前々から自分の職場の異常さには気づいていました。
しかし「石の上にも3年」ということわざがあるように、たとえ辛くても3年は頑張ろうという気持ちがあったのです。
今にして思えば、もっと早く転職活動をしておけばよかったと思います。
しかし退職金が発生するタイミングが3年目からという事もあり、3年間働き続けました。
ブラック保育園を辞める時は、タイミングや切り出し方、辞める理由について何日も考えました。
前の保育園は自宅から2駅隣の駅で、自転車で通える範囲。
保護者や同僚に会う可能性があります。
できれば次の職場も近くの保育園で決めたかったので、円満に退職したかったのです。
保育園では来年度の人員確保の観点から、10月くらいから進退を園長や主任といった役職の人に伝えなければなりません。
保育園によってやり方は様々で、面談してくれる園もあれば、紙に書いて提出するだけの園もあります。
10月というと、年度末まであと半年。
進退を決める段階で辞めると伝えてから半年間、職場の人とは顔を合わせ続けなければなりません。
辞める事は決めていました。
しかしブラック保育園で家族経営でもあったため、「辞める」なんて言ったら半年間いじめられ続けるのではないかという不安がありました。
ですが、進退を伝える際に「続けます」といった後、「やっぱり辞めます」と伝えるのはかなりのハイリスク。
悩んだ結果、私は10月の進退を報告するときに「申し訳ありませんが、現在彼氏と結婚の話が出ています。12月にはっきりとお話しさせていただきます」と伝えました。
これにより12月まで先延ばしし、その間に内定をGET。
ブラック保育園という事もあり、いざ「退職する」と上に話をしてからはかなりの間引き止められました。
1月の初めに辞める事を伝えた後は、有給を使ってなるべく出勤しないようにしました。
結果、他の保育士から嫌みを言われることなく、転職先も決まっていて安心して辞められました。
- 早い段階から辞める決断をしていた
- しっかりと転職への準備をしていた
この二つのポイントを抑えたことで、ブラック保育園を円満に辞められたのだと思います。
保育士を円満に退職するために心掛けたいポイント
保育士を円満に退職するためには、切り出し方やタイミングに大事にしたい部分がいくつかあります。
今回ブラック保育園を退職するに至って、私が心がけたポイントを紹介します。
退職の切り出し方。退職理由は設定を作っておく
保育士を辞めると決めた時に、まずは理由を考えましょう。
辞める理由は給料の事だったり人間関係だったり……と様々な理由があるかと思います。
しかし、その辞めたい理由を正直に言う必要はありません。
「人間関係が辛いんで辞めます」「給料が安いんで辞めます」なんて言えば、場合によっては円満に退職と行かず辛い目に遭います。
辞めたい理由があっても、正直に言うのではなく、今後の事も考えてある程度話を作っておくのが良いでしょう。
円満に退職するのであれば、辞める理由はポジティブなものにしておきたいもの。
「結婚」といったおめでたい事や、「新しい環境でスキルアップしたい」という理由も良いですね。
また、引き止められないためにも「ここではどうしても働けない」という理由が大事。
「結婚をして引っ越しする」「勉強のため再度専門学校に行く」など。
嘘でもいいので、設定を作っておきましょう。
気を付けたいのは、物理的な理由。
- 結婚することになったので、引っ越しをしなければならない
- 実家に帰って、家業を継ごうと思っている
近くの保育園で働いているのであれば、その後も会う可能性があります。
話を作るのであれば、これらの理由は避けるのが無難です。
退職を伝える相手に気を付ける
退職を決めたら、本当に信頼できる仲の良い職場の人でない限り絶対に他言するのは辞めましょう。
退職を伝える相手は、直属の上司である園長になるかと思います。
園長に話をする前に、噂として誰かが話しているのを耳にしてしまう場合があります。
噂話は尾ひれがついて、あることない事話されている場合もあるので危険です。
実際に職場の先輩が辞める時に「○○先生辞めるんだって!」と他の先生からばらされてしまい、園長先生から「○○先生どうせ辞めるんでしょ」と皮肉を言われていたところを見たことがあります。
保育士の職場は女社会。
噂話ほど怖いものはありません。
退職を伝える時に園長先生に話す以外は、話さないでおくのが安心です。
退職を伝えるタイミングは、年明けまでに
保育士を辞める事を上に伝えるタイミングは、最低でも「年明けまでに」です。
もちろん10月前後にある来年度の進退を話す際に、「続ける」といった後の「辞める」はご法度。
「まだ未定」の場合はいないものと考えて採用活動に取り組んでいる可能性もあります。
しかし「続ける」といった場合は、あなたの事を来年度もいるとして人事を組みます。
そこがいなくなるのであれば、採用活動をもう一度行わなくてはなりません。
保育士は国から最低基準が決められています。
保育士がいなければ、定員を預かることができません。
急に辞められるのが一番困ります。
1か月前に辞めると切り出したり、「やっぱ辞めます」と言ったりしている保育士が、円満退社ができたケースを見たことがありません。
本当に「妊娠」や「引っ越し」といった物理的に不可能という理由で辞めるのではない限り、辞めると伝えるタイミングは年末がベスト。
あまり早いと「あの先生辞めるから」という理不尽ないじめにあいかねないので、早すぎてもよくありません。
相手の性格にもよりますが、概ね3か月前に伝えるのが一番伝えやすかったです。
保育士を辞める時、こんな退職の切り出し方はNG!
保育士の仕事を辞めると決めた時、円満に退職したいのであれば切り出し方やタイミングに注意しましょう。
タイミングが悪いと円満どころか大喧嘩になり、いじめられるケースも。
女の職場だからこそ、礼儀や常識を踏まえてしっかりと対応する事が大切です。
年度途中の猶予のない退職
年度末に辞めるのではなく、年度途中にいきなり辞めるのは最もタブーなやり方です。
もちろん環境があまりにも酷く心身ともに疲れていたり、医師から辞めるように診断されている場合は別です。そんな場合は時期など考えず、すぐに辞めるべきです。
しかし「次の職場が決まったから」「結婚するから」という理由なら、年度途中にいきなり辞めるのは円満に退職したいのであればやめましょう。
年度途中の場合、後任の先生探しや行事、クラスの引継ぎがあります。
最低でも2か月以上前には園長に話しておくのが大切。
どんなにおめでたい理由であるにせよ、いきなり辞めるのは先生にも子どもにも失礼です。
子どものケアをするためにも、前もってしっかり話しておきましょう。
来年度の人事が決定した後のタイミング
来年度の人事が決定しているということは、3月も間近という事。
来年度の採用も終了している時期で、今から新しい人を採用するのは至難の業です。
万が一あなたが幼児の担任として決定していたら、1人担任を他の先生に変えなくてはいけません。
たとえ複数担任の1人だとしても、定員数に対して保育士の数が足りなくなるのであれば急いで補充の人員を確保しなければなりません。
来年度の人事が決定したなら、最低でも翌年の6月までは働いて後任が見つかってからにしましょう。
このタイミングで辞めると伝えた場合は、非難を浴びる覚悟をしておいたほうがいいです。
全てをメールで済ませ、対面で行わない
社会人の礼儀として、辞めると決めたのであればしっかり対面で話しましょう。
医者から辞めると診断されたのであれば、電話やメールで報告し、退職届を郵送する…というのもまだ許されます。
しかし全ての手続きを対面で行わないという事は、バックれたといわれてもおかしくありません。
円満に退職する事は不可能ですし、悪い噂として他の保育園に広まっていく可能性があります。
辞めると決めて会いたくなくても、社会人ですからしっかり相手に直接話をし、手続きを行いましょう。
保育士を辞めたいけど、引き止められた時はどうするべき?
保育士不足の中、辞めると伝えた時に引き止めに合う事も多いかと思います。
実際に私がブラック保育園を辞める時も、「どうにか来年だけでもいられない?」と何回か聞かれました。
引き止められないためにはどうすればいいか、私がとった方法をお話しします。
ここでは働けない理由をしっかり伝える
引き止められないためにはまず、「ここでは働けない」という理由をしっかりと相手に伝えることが大切です。
引っ越しを伴う結婚や、実家に帰る事にしたといった物理的に無理という理由だと、通うのも無理ですから引き止められにくいです。
また「勉強をするために専門学校に行く」「祖父母の介護を手伝う事になった」等、時間的に無理という理由も引き止められにくいかと思います。
私が現在働いている職場で、昨年度辞めた先生は「子どもについてもっと勉強したいから」という理由で辞められました。
子どもの事を勉強するとのことなので、「また機会があれば再雇用してくださいね」というくらい円満に辞めていかれたのを覚えています。
辞める理由をなあなあに話していると、そこから付け込まれやすいです。
個々では働けないという理由をしっかりと相手に話しましょう。
辞めるという意思をしっかりと持つ
辞めると決めた後は、たとえ「続けられないかなぁ?」という相手の言葉にも「残念ですけど無理です」とはっきりと断っていました。
ここで「検討してみます」と言ってしまうと、そのあともしつこく引き止められます。
辞めると決めたのであれば「無理です」としっかり辞める意思を見せることが大切。
相手に申し訳ないと思う気持ちもわかりますが、ここで少しでも隙を見せてしまうとあれよという間に辞められない状況に陥ってしまう事も。
辞めるという意思はしっかりと持っておきましょう。
まとめ
保育士を円満に退職するのであれば、しっかりと転職までの段階を組み、色々な経験談を読んでしっかり考えた上で行動しましょう。
行動する際も、なるべく一人で隠密に行動することが大切です。
私は前職のブラック保育園を退職した後も、運動会に遊びに行ったり仲の良かった職場の人とはご飯に行ったりと円満な関係を築いています。
もちろん今後戻ることは絶対にありえませんが、円満退職できたからこそのつながりがあると感じています。
転職活動は体力を使うので、退職は穏便に済ませたいもの。
保育士を円満退職するための参考になるとうれしいです。
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