保育の仕事は女の仕事。
女の職場でよくある、職場いじめ。
私は実際にはいじめにはあっていませんが、保育士の同期が先輩のいじめに耐えかねて途中で退職し、うつ病の診断をうけた姿を見てきました。
いじめは子どもが学校でされるイメージですが、実際に多くの保育現場でいじめがあります。
保育士のいじめから抜け出すにはどうしたらいいのか。
実際に現場で見てきて感じたことをお話しします。
私が保育現場で見た、いじめの実態
以前に保育現場で「ペットボトルに洗剤を混入された」事件。
全国ニュースになったのを覚えていますか?
この事件は実際に職場の人がしたのかは定かではありませんが、似たような事例を実際に見たことがあります。
私が前に勤めていた保育園は、ブラック保育園。
労働環境が悪い保育園でした。
中でも酷かったのが人間関係。
園長や主任といった役職のついた先生が親子で一族経営だったため、「お気に入りの先生」「嫌いな先生」という線引きがはっきりとされていました。
「お気に入りの先生」は何をしても許され、行事の担当を免除されることも。
逆に「嫌いな先生」には仕事を押し付けて、毎週土曜日出勤させるなんていう事もありました。
その中で「嫌いな先生」の私物を盗んだり、ロッカーにごみを入れる事件が起こったのです。
最初はペンやタオルといった「どこかへ置き忘れてしまったかな?」という程度のものだったのが、だんだんエスカレート。
靴や仕事着が盗まれることも。
そしてロッカー内に生ごみを入れられる事件をきっかけに、その先生は職場に来なくなりました。
なぜ保育の現場でいじめが起こるのか?
ただでさえ人数が少なく、保育士がカツカツな状態。
辞めてしまったら更に状況は悪化するのは目に見えています。
なぜいじめを行うのか、最初は疑問でした。
でもいじめていた先生を見ていると、
「仕事が大変だからこそ、弱い人をいじめて優越感に浸ろう」という感情があるのだと思います。
いじめていた先生が担任していたクラスでは、物わかりの良い子は給食のお代わりをもらえたり、好きなおもちゃで遊んだりしていました。
ですが、ちょっと遅れてしまったり話を聞けない子には大声で怒鳴りつける。
自分の思い通りにさせようとする。
保育者へのいじめと似通った部分がありました。
保育現場のいじめは労働環境が悪ければ悪いほど多いように感じます。
保育現場でいじめにあいやすい保育士の傾向
保育の現場でのいじめを見てきて、いじめにあいやすい人とあわない人には傾向がありました。
保育現場でいじめにあいやすい人はどんな人なのか、自分なりに考えた事を挙げていきたいと思います。
頼まれると断れない保育士
保育の仕事は事務作業が多いもの。
お便りや連絡帳など、毎日たくさんの書き物があります。
保育現場でいじめられていた先生のほとんどが、書き物を先輩から頼まれた仕事を断れない先生でした。
仕事を頼まれて断れず、どんどん仕事が溜まっていく…
そうすると先輩も「あの子は逆らわない」と感じ、どんどんエスカレートしていきます。
人に頼るのが苦手な保育士
たとえいじめられていても、他の人に相談できずにため込んでしまう人をたくさん見ました。
自分でどうにかしようとしているだけでは、いじめは解決になりません。
人に頼ることが苦手な先生はいじめられやすいうえに、自分を追いつめてしまい更に状況を悪化させてしまいます。
協調性がない保育士
保育の現場はチームワークが大事。
にもかかわらず、自分勝手に保育を進めてしまうと反感を買いやすくなります。
保育現場でのいじめのきっかけのひとつが「あの先生なんかむかつく」といった漠然とした理由。
実際に職場でいじめられてうつ病になった同期も、
- 「今日わたし体調悪いから前に立てない」
- 「○○(子どもの名前)ちゃん嫌いだから変わってもらえる?」
- 「オムツ替えはしたくない」
と言っている姿をよく見ました。
保育の仕事では、協調性をもって取り組めないと子どもの命に関わります。
いじめられないためにも、子どものためにも、協調性を大事に保育をしていきたいですね。
保育現場でいじめられないためにするべきこと
自分の実体験を交えて、保育現場でいじめにあわない人の傾向を紹介します。
No!をはっきり言う
嫌な事ははっきりと断ることは大事です。
ただ、「できません」「嫌です」とはっきり断るとそこからいじめにつながることもあります。
いじめにあわない人は、相手の事を考えながら「No」をしっかりと言える人。
- 「今忙しいから、ごめんね」と1度は断っても、翌日に「仕事があらかた片付いたから手伝うよ」と申し出る
- 「それは違うと思う、理由はこうだから」と、ハッキリ意見を伝える
しっかり意見を言う事が大切です。
相手の事をしっかり見て行動する
保育の仕事は、担任しているクラスによっても仕事量が変わってきます。
特に幼児クラスの場合、少ない人数でたくさんの子どもの書類を書かなければなりません。
いじめにあわない人の多くは、自分の仕事が終わったら相手の仕事を手伝っていた先生たち。
仕事を押し付けられるのではなく、手伝う姿勢が大切です。
自分が相手にされて良かったことは、相手も返してくれるもの。
その姿勢は子どもにも伝わります。
自分の事だけではなく相手の事をしっかりと思いやって行動できると、信頼にもつながります。
逆にいじめられても周りの先生がフォローに入ってくれるでしょう。
笑顔を絶やさない保育士は、周りから好かれる
保育の現場でいじめにあわない先生は、皆子どもから好かれています。
子どもが「大好き!」と感じる先生は、大人からしても魅力があるという事でしょうね。
- 常に笑顔を絶やさず、いるだけで職場が華やぐ。
- 分け隔てなく挨拶する。
そんな保育士は、子どもからも保護者からも好かれています。
いつも笑顔で元気な先生は、「あの先生も頑張っているから私も頑張ろう!」と周りも思えるような不思議な魅力を持っています。
毎日ネガティブで下を向いてばかりの先生には、子どもも寄ってこないし先生からの印象も良くありません。
いじめに合わない先生は、いつも前向きで心から保育の仕事を楽しんでいます。
保育士が職場いじめから抜け出す方法
もしも保育現場で職員同士のいじめにあってしまった時には、どうしたらいいのでしょうか。
自分を守るには自分がまず動くほかありません。
周りの人が助けてくれると思っても、実際は気づいてくれないこともあります。
そして下手に動くと大きくなり、余計に悪化させてしまう可能性もあるのが職場でのいじめ。
まずはよく考えて行動に移しましょう。
相談するときは、信頼できる相手かどうか慎重に
いじめにあって辛いときは、自分の親や同期、園長といった信頼できる人に相談しましょう。
ただし、職場の人に相談する場合は慎重に動いた方が良いです。
私が前に勤めていた職場の場合、いじめていた先生の中に主任も含まれていました。
そして園長は主任の母親。
園長に相談したところで、主任と同じ考えな部分が多いです。
逆に「あんなこと言っていたわよ」と言われて、火に油を注ぎかねません。
同期も一緒です。
万が一いじめられている先生との関係が良好な場合、同じく相手に話されてしまうかも。
職場の先生に相談する場合、本当に自分のために親身になってくれる人なのか良く考えてから行動に移してください。
マタハラやセクハラ相談には、厚生労働省や労働局の相談窓口、外部機関がおすすめ
保育園によっては第3者機関を設けているところもあります。
そこに連絡をとってみても良いですし、外部の相談機関に連絡するのも良いでしょう。
厚生労働省の総合労働相談コーナーは、相談は無料。
匿名で相談に乗ってもらえます。
女性担当者がいる窓口もあり、マタハラなど男性には相談しにくい事でも安心です。
ただ地域によっては管轄にない場合があるので、調べてみてくださいね。
またインターネットからも連絡できるのが、法務省女性の人権ホットライン。
こちらは女性だからこそ起こる、いじめやセクハラ問題に強い機関。
匿名で相談できて、助言をもらえます。
転職する。系列保育園があれば職場を変える
前の保育園に勤めていた時、園長と折り合いが合わず、嫌がらせをされていた先輩が年度途中に他の職場に異動しました。
園長からはあることない事書かれた引継ぎ書を次の職場に提出されたようでした。
しかし次の職場の保育園の園長は事情を察して対処してくれ、現在は楽しく仕事をしています。
系列の保育園がある場合は、職場を変える事も一つの手段。
退職とは違い、ボーナスの査定もそのままで有給休暇も引き継がれるなど、メリットがたくさんあります。
環境を変えたいのであれば、系列の保育園に職場を変える事も考えてみてくださいね。
あまりにいじめが辛い時はすぐ辞める!
前の職場でいじめにあい、うつ病の診断を受けた同期は現在も病気と闘っています。
もう保育の仕事に戻る気はないようです。
せっかく自分がなりたくて資格をとった、保育士という仕事。
大人からのいじめが原因で辞めざるをえなくなるのは悲しいです。
職場のいじめがひどく、辛い場合は辞めたり休職したりして、現場から早急に離れましょう。
年度途中でも辞めて違う職場を探してください。
せっかく大好きな仕事。
病気になってからでは、保育士という仕事までも嫌いになってしまいます。
先生の代わりはいても、自分の代わりはいません。
まとめ
女性の職場である以上、保育の現場でいじめや人間関係の問題は常に存在します。
いじめから抜け出すために、自分の対応を振り返り、どう行動に移すか考えてみてくださいね。
- 自分がいじめられている理由を探して解決に導く。
- きっぱりと辞めて、新しい職場を見つける。
自分が仕事を続けていくためにどうしたらいいか、少しでも参考になればうれしいです。
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