保育士が希望転職先で面接するとき、必ず聞かれる質問の一つが「退職理由」。
「前の園を辞めた理由を教えてください」と聞かれた時に、しっかりとした回答ができるかできないかで面接官からの印象はガラリと変わります。
転職活動中の保育士で多いのが、以下の悩み。
- 人間関係に疲れたから転職したいけれど、退職理由はどう伝えるべき?
- 鬱で前の園を辞めたことは、正直に伝えるべきなのか?
面接官を納得させる退職理由を詳しく説明します。
面接の際に退職理由を聞かれる理由

面接時に必ず聞かれる退職理由ですが、なぜ人事担当者は退職理由を聞くのかお分かりでしょうか?
採用担当者が退職理由を聞く意図をしっかり把握しておかなければ、納得させる理由を伝えることはできません。
同じ理由でまたすぐに辞めないか確認したい
もしもあなたが以下の状況にあてはまるなら、退職理由に関しては徹底的に作りこんで面接に備える必要があります。
- 新卒で入社したばかり
- 保育士1年目で転職する
- 年度途中に転園する
新卒で入ったばかりでも転職する人は実際とても多いです。
しかし入社したのにすぐに辞める人は、我慢が足りないのではないか?次の転職先でも続かないのでは?と思われる確率がものすごく高いのです。
転職理由を聞かれた際に「給料が少なかったから」「残業が多くて」と答えれば、「うちも同じ理由で辞めるかもしれない」と判断され、不採用となってしまうでしょう。
年度途中での転園も、採用担当者からは「物事を中途半端に投げ出す人なのではないか?」と疑われていると考えてください。
面接官の心理を知った上でどう答えるか、どう納得させるか。考える必要があるのです。
会社の理念や方針に合う人材かどうか確認したい
転職先の採用担当者が知りたいのは、自分の会社に合う人材なのかどうかということです。
退職理由についての質問に「残業が多かったからです」「休みがなかなかとれなかったためです」と答えたいと思っている保育士もいるでしょう。
しかし転職先企業でも多少の残業があったり、休みがとりづらい職場である可能性もあります。
「絶対に残業のない会社で働きたい!」と思っている場合や、「完全週休二日制の会社で働きたいからOLに転職する!」と決めているのであれば、この答え方でもいいでしょう。
しかし採用側は、多少の融通は利く人材が欲しいと思っています。
「この人は絶対に残業はしてくれないんだな」「他の社員が休んだ際にも、融通が利かなさそう」と思われて、不採用になるかもしれません。
退職理由の答え方ひとつで、応募者の気持ちや考えが見抜ける質問なのだということをしっかり覚えておくことが大切ですね。
印象を良くする退職理由の伝え方のポイント

では退職理由で良い印象を残すには、どうすればいいのか?
面接官の質問の意図がわかったところで、印象の良い退職理由を作るポイントを紹介します。
退職理由はポジティブな言葉にして伝える
良い印象を与える退職理由とは、何か?
一言で言えば「前向きでポジティブな理由」です。
ネガティブな言葉を発すると、その場の空気は暗くなってしまいますね。
面接官はあなたに対して、良い印象を持てなくなるでしょう。
例え前の園が劣悪で牢獄のような職場環境だったとしても!退職理由はポジティブに変換して伝えてくださいね。
転職先企業がどのような人材を求めているのかを把握し、不安にさせるようなことは言わないほうが無難です。
転職先企業の理念や職場環境を把握しておく
面接でのやり取りをスムーズにするためには、転職先企業のことを知っておくことが必要です。
- 転職先企業の経営理念
- 保育園であれば、どのような特徴がある園なのか
- 企業の規模や職場で働く人の人数、正社員とパートの割り合いなど
保育園であれば見学はしておくべきです。
一般企業であれば事前にホームページやネット上の情報を見たり、求人票をしっかり読み込んでおきましょう。
そのうえで、
- どのような人材が求められているのか
- 自分を雇うことでその企業にはどんなメリットがあるのか。
- 自分はその転職先で何が成し遂げられるのか
これらのことを考えておくことが大事です。
良い退職理由の具体例
子どもの安全を考えない園だったり、人間関係が陰湿だったり、保育士を辞めた理由は人それぞれでしょう。
しかしあまりにもストレートに思いを伝えるのはNG。
あくまでもポジティブな言葉で伝えられる退職理由を考えなければいけません。
ポジティブな退職理由になりやすいのは、以下の4つ。
- 保育方針の不一致
- 正しい人事評価がされなかった
- 人間関係
- 体調不良
退職理由の具体例とともに、詳しく説明します。
保育方針の不一致
転園を希望しているけど、良い退職理由が思いつかない!
そんな時は、保育方針を理由にするのがおすすめです。
- 前の園の保育方針が、自分の目指す保育と違った
- 利益が第一で、園児の安全性を考えない保育園だった
前の園の保育理念・保育環境が自分に合わなければ、保育方針が自分に合う園に転職出来ればやりがいを持って働けるようになります。
転園先の保育方針に魅力を感じている、という志望動機につなげることができますね。
保育方針を転職理由にする場合には、以下のポイントを押さえてください。
- 自分はどういう保育がしたいのか伝える
- 前の園で合わなかった部分を伝える
- 転職先の保育方針に魅力を感じている、ということを伝える
正しい人事評価がされなかった
社会法人が運営している歴史の長い保育園であるほど、独自のしきたりがあることが多いです。
- 何年も働いているのに給料が少ない
- 福利厚生が不満
- サービス残業が多い
評価基準が明確ではない保育園だと、園長のお気に入りだけが待遇が良いなんてことも。
これらの問題が改善されることはほとんどないでしょう。
ただし「給料が少なくて」「家賃補助が少なくて」などとストレートに伝えるのはNG!
保育士としてのやりがいよりも利益を優先して考える人だと思われてしまいます。
あくまでもポジティブな言葉になるように、「正しい人事評価制度がされる保育園で長く勤めたい」と前向きな姿勢が伝わる退職理由を考えましょう。
人間関係
女の職場である保育園では、人間関係の悩みは尽きません。
- 先輩や園長からのモラハラやパワハラ
- 職場でのいじめ
あまりに酷い場合は早急に転職したいもの。
しかし一番注意しなければいけないのが、この人間関係を退職理由に伝える場合です。
「いじめがひどくて」「先輩が怖くて」などと言うのはやめましょう。
「コミュニケーション能力が低いのかも。うちの園も同じ理由ですぐ辞めそう…」と思われ、不採用にされかねません。
「職場でこういう努力をしたが、関係を改善できなかった」と、改善の努力を試みたという伝え方をしてください。
体調不良
持病の悪化や鬱など、体調を壊して休職・退職した場合は隠さずに正直に伝えましょう。
特に鬱は再発リスクの高い病気です。
無理せず働ける職場を見つけるためにも、しっかり伝えておく必要があります。
伝える際には言い方に工夫が必要です。
「前の園が激務で病気になったから」という言い方では「うちの園でも身体が持たないのでは」と不安にさせてしまうため、以下のような言い方にすると良いでしょう。
面接対策は、転職サイトを上手に使おう

保育士の面接で聞かれる、退職理由。
返答一つで面接官からの評価が変わるほど、退職理由は重要な質問です。
あまりに事実とかけ離れた答えだと深く突っ込まれた際に返答に詰まってしまいますが、正直にすぎるのも「うちの会社を辞めた後にも、同じように悪く言われそう…」と悪い印象を与えがち。
自分はどういう退職理由にすればいいのか?不安な場合には、転職サイトを使うのかおすすめです。
保育士専門の転職サイトでは、専任のコンサルタントが無料で面接対策のアドバイスをしてくれます。
体調に考慮してもらえる園を探すのも、転職サイトを使ってカウンセラーに相談すれば希望に合う園を紹介してくれますよ。
保育士専門の転職サイト「保育士バンク!」では、元保育士の専任カウンセラーが無料で相談に乗ってくれます。
「保育士バンク!」で転職を成功させた保育士の体験談を「保育士バンク!を実際に使った体験談」にまとめています。
まとめ
保育士の面接用に退職理由を考えることは、自分の理想とする保育を改めて考えるきっかけにもなります。
ぜひ時間をかけて自分の気持ちをノートに書きだし、思いをまとめてみてください。
志望動機の書き方については、保育士のための、転職を成功させる志望動機の書き方を参考にしてください。
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