憧れていた保育士の仕事に就くために、保育士資格を取得して、晴れて新卒で保育士に。
しかし働いてみると、想像以上に保育士の仕事は大変。
思い描いていた保育士の仕事と、現実とのギャップがあまりに違いすぎる…
新卒で入ったばかりなのに「もう辞めたい」と悩む気持ち。どうすればいいのでしょうか?
新卒で働き始めて何度も「保育士を辞めたい」と考えた私が、自分の気持ちに対処する方法と転職を考える指標について紹介します。
新卒保育士の「辞めたいけど続けるべきなのか?」という悩み
新卒保育士はどんな時に仕事を辞めたいと思うのか?私の周りの保育士を例に挙げて、紹介します。
思っていた仕事と違う
憧れて就いた保育士の仕事でも、実際に働き始めると見えてくるのが保育現場の実態です。
- 忙しすぎて、子どもと関わる時間が取れない
- 事務作業、残業が多すぎる
- 子どもの安全や保育士のことなど考えない、利益優先の保育園だった…
思い描いていた保育士の仕事とのギャップを知るほど、辞めたいと思うようになってきます。
保護者対応
保護者対応は保育士の仕事の中でも、特に神経がすり減る仕事です。
子どもとの関わり方に意見を言われたり、保護者から理不尽なクレームを言われたり…
新人保育士だと保護者から信頼を得るのに時間も掛かります。
話をするだけなのに緊張し、精神的な疲労も溜まります。
先輩保育士は保護者と仲が良さそうに話をしているのに、自分だけ仲間外れ…。そんな思いをすることもあります。
参観日の前日には緊張のあまり胃潰瘍になってしまった、なんてことも珍しい話ではありません。
給料が少ない
仕事量の多さと収入が見合っていない状況に悩む、新卒の保育士は少なくありません。
- 毎日残業
- 忙しすぎて自分のキャパシティを超えている
- 手取り額が少なすぎる
内定前に求人情報で月収は把握できるものの、月収と手取り額は違います。
提示された月収から保険料や税金などが引かれた手取り額が振り込まれると、その少なさに愕然とすることも。
給料が少なく、収入と仕事量が見合わないと感じると、転職を考えたくなるものです。
新卒で保育士を辞めるには、リスクがつきもの
保育士の仕事が辛いと、「もうすぐにでも辞めたい」と思うもの。
しかしここで慌ててはいけません。新卒で保育士を辞める早期退職にはリスクがあるからです。
転職先で退職理由を聞かれる
今働いている保育園の退職を考えたら、転職活動が始まります。
転職の面接で必ず聞かれるのが退職理由。
新卒で退職をしている場合には、なおさら詳しく聞かれます。
- 職場環境だけではなく、本人にも問題があったのでは?
- せっかく雇っても、うちの職場も同じ理由で辞めるのではないか?
そんな思いを面接官が抱いているからです。
面接官が「この職場環境ならば早期退職をしても仕方がない」と感じさせる退職理由を用意できなければ、「仕事を軽く見ているのでは…」と思われてしまいます。
年度途中の退職は職場に迷惑がかかる
保育士には1年を通して担う役割があります。
- クラス担任を持ち、1年間を通してクラスの子ども達の成長を見守る
- 1年間の見通しをもって保育カリキュラムを実践する
- 翌年のクラスや小学校に送り出す
新卒の保育士であっても、複数担任としてクラスを受け持つ場合もあります。
年度途中で退職をしてしまうと、一緒にクラスを担当している保育士にも迷惑がかかってしまうため、保育士は年度末で退職する人が多い職業です。
さらに園側からすると、新卒者が年度途中で退職をするとは思っていません。
慌てて新しい人材を探さなくてはならないため、年度途中の退職は慎重に行う必要があります。
続けることで気が付く、やりがいや楽しさを感じることができない
保育は短期間では成果が見えない仕事です。
毎日オムツを変えて、食事や着脱の援助。保育士になりたての頃は、一緒に遊んでも子ども達が反応を返してくれないことも。
厳しい先輩に緊張しながら、毎日覚えることだらけでやりがいを感じる余裕がない状態です。
私も新卒で働き始めたとき、初めの3か月は毎日仕事に行くのが苦痛で仕方ありませんでした。
先輩は怖いし、子ども達は私が寝かしつけをすると寝てくれない。
仕事もなかなか覚えられず、事務仕事も作り物も遅いので毎日残業。
しかし3か月を過ぎたころから、子どもとの関係ができて来ていると感じる場面が増えていきました。
- 同じおもちゃであっても、子どもの反応を見ながら遊ぶと声を出して笑ってくれた
- それまでは私の寝かしつけでは寝てくれなかった子どもが寝てくれた
- 抱っこを求めて手を伸ばしてきてくれた
1つひとつの出来事はささいなことですが、子どもが自分を求めてくれていることを感じ、それまでの苦労が報われたように感じたことを覚えています。
子どもとの信頼関係ができたと感じられる経験は、保育士として大きな喜びと自信につながりますよ。
保育士を辞めずに続けたほうがいいのはこんな時
「人間関係は辛いけど、子どもは好き」「辞めたいけど、頑張ってみようかなと思う気持ちもある…」
もう少し続けてみようという気持ちがあって、辞めたい理由が以下のようなものならもう少し頑張ってみると自分の成長に繋がるかもしれません。
ミスをした時
保育士で入ったばかりのときは、誰もがミスをするもの。
新人にミスはつきものとはわかっていても、厳しく指導されたり、叱られると気持ちが折れますよね…。
しかし失敗を乗り越えてこそ、人は成長するもの。
仕事でミスをしないことよりも、してしまったミスをどう対処するかのほうが重要です。
同じミスを繰り返さないようにしながらもう少し頑張ってみれば、自分の成長を感じられる日は必ずきます。
先輩が怖い
新卒の新人保育士の悩みが、先輩保育士との関係です。
新卒で保育士として働き始めたときには、仕事を1から教わります。
初めは先輩保育士と話をするだけでも緊張しますよね。
私も新人保育士時代に一緒に組んでいた先輩保育士が怖すぎて、挨拶をするだけでも緊張していました。
保育士同士で出来上がったチームワークの中に入れずに、疎外感を感じたことも。
しかし怖いと思っていた先輩でも、自分の気持ちや対応を変えるだけで良好な関係が築けます。
先輩保育士が怖い!恐怖を乗り越える対処法と解決策に私の体験談を詳しく書いています。人間関係で悩んでいる方はぜひ読んでみてくださいね。
やりがいを感じられない
保育士を辞めたい理由としては多いのですが、これは一概に「辞めるのがおすすめ」とは言えません。
他に理由がない場合には、働き続けることで保育士としてのやりがいを見つけられる可能性があるからです。
保育士の仕事は、他の仕事では得られないやりがいを感じられる仕事です。
保育士の1番の魅力は、全ての仕事が子どもの成長に繋がっていること。
大変なこともたくさんありますが、その結果として子どもが楽しく過ごせる。
その経験が子どもの成長につながると考えると、やりがいを持って仕事ができます。子どもは日々違った表情を見せてくれます。
仕事がマンネリ化することはありません。
保育士は大変だけど、やりがいも十分!保育士の仕事の魅力に詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。
それでも保育士を辞めたい…転職を考える指標とは
保育士を辞めたい理由が自分ではなく園側にある場合には、転職したほうがいいこともあります。
転職を考える指標を紹介します。
会社の経営難
認可保育園は国や市町村からの補助金が支給されています。
基本的には倒産はありません。
しかし、現在では株式会社が運営している保育園も増えています。
運営元の会社が経営難に陥り待遇が悪くなったり、保育園を手放すことはあり得ます。
運営元が変わると勤務状況も変わりますので、運営元が経営難に陥っていれば転職を考える1つの指標になります。
パワハラやモラハラなどの精神的苦痛
園長や先輩保育士からのパワハラ、厳しい叱責。
自分だけが周囲から無視をされる。嫌味を毎日のように言われるなどのモラハラ。
そんな毎日に耐えながら働くのは、精神的にかなりの苦痛です。
私の場合、園長のパワハラ、セクハラとも感じられる言動が原因で、内定をもらった保育園を断った経験があります。
内定はもらいましたが、まだ働いている状況ではないにも関わらず「明日研修があるから園にくるように」という突然の呼び出し。
10分前に園に行くと、「出勤は15分前と決まっている」と怒鳴られました。
さらには園長室に呼ばれ、「手のつなぎ方を教えてあげる」と手を握られたまま30分以上話をされたことも。
園からの呼び出しの電話が怖くなり、このまま就職することはできないという思いから内定から1か月後にお断りをさせていただきました。
当時の体験談は保育士が受けるパワハラ、モラハラ。抜け出す方法と対処法にも書いています。
精神的苦痛が続くと身体を壊しますので、いち早く抜け出す努力をしましょう。
心身の不調
- 仕事に行こうとすると嘔吐してしまう
- 疲れから蕁麻疹が出る
- 風邪をひいているわけではないのに咳が止まらない
- 常に頭痛がする
このような症状は心や体もストレスを感じたり、疲れきっている状態です。
私が新人保育士の頃に、園長と後輩保育士の間にいつも入ってくれる頼れる先輩保育士がいました。
いつも明るく、子どもや保護者、周りの保育士にも人気があったのですが、園長からの叱責は激しく…よく身体に蕁麻疹が出ていました。
その先輩保育士は数年後に退職しましたが、退職後は全く蕁麻疹が出なくなったそうです。
気持ちの辛さは体調にも表れます。
身体からのサインですので、無理をせずに転職を視野に入れましょう。
悪質ないじめにあっている
先輩との関係に悩む新人保育士は多いです。
それが悪質ないじめに発展してしまうと仕事にも支障が出ますし、何よりも辛いですよね。
- 子どもの前で暴言を吐かれ叱責される
- 物を隠されたり壊されたりする
- 保護者に自分の悪口を伝える
- 話しかけても常に無視
これらの状況は指導ではなく、悪質ないじめです。
保育士全体からいじめられている場合は、新人保育士では太刀打ちできません。
働く環境としても劣悪です。
まとめ
保育士として働き始めても「辞めたい」と考える新卒の保育士は少なくありません。
まずは自分の気持ちと向き合い、辞めた時のリスクを知ること。
それでも辞めたい時には、感情だけではなく冷静に動き始めましょう。
まずは自分が辞めたい理由が解決できるか、できないかを考えてみてくださいね。
こんな保育園はすぐ辞めるべき!怖すぎるブラック保育園の見分け方も参考にしてください。
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